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創作性

金魚電話ボックスの裁判の判決が出ていました。

金魚の街が観光客に見せるために公衆電話ボックスに金魚を入れたら、山本伸樹氏が「公衆電話ボックスに金魚を入れたのは私が先。私に権利があるから私の正しい作品(エアーが受話器のみ・水は緑色)として展示して」と要求しました。

山本氏が公衆電話ボックスをデザインしたわけではないのに権利を主張するのは良くないと思います。
「公衆電話一般型A型ボックス」をそのまま使っているように見えます。

公衆電話非公式Wiki 公衆電話ボックスの形式
https://w.atwiki.jp/telmap/pages/21.html

観光客は金魚を見に来ているのに(水が緑色では金魚がきれいに見えない)アート作品を押しつけようとするのは悪いと思います。
アート作品は、アーティストのファンが行く展覧会場に置いた方がいいです。

金魚の街は電話ボックスの水槽を撤去したのですが、山本氏は裁判を起こしました。
既製品を使ったアートに創作性はあるかということですね。

うしとみし 限界法律クラスタ【判例】金魚電話ボックス裁判
https://gyuhotactics904.hatenablog.com/entry/2019/07/16/154744

>裁判所は山本氏の作品について「①公衆電話ボックス様の造形物を水槽に仕立て,その内部に公衆電話機を設置した状態で金魚を泳がせていること,②金魚の生育環境を維持するために,公衆電話機の受話器部分を利用して気泡を出す仕組みであること」の2点を基本的な特徴として挙げました。そして、①についてはアイデアである、②については「アイディアが決まればそれを実現するための方法の選択肢が限られることとなる」と判断して、この二つの点につき著作物性を否定しました。

> 要するに、造作物内部に二段の棚板が設置され,その上段に公衆電話機が設置されている点(①)は、電話ボックスである以上必然であり、受話器が水中に浮かんでいる点(②)は共通するけど、これだけじゃあ同一性があるとは言えないよね、という話です。

>とはいえ本判決にも疑問に感じる部分がありました。こちらのブログ(https://ipmainly.com/kingyo-saiban/)でも触れられていますが、受話器から空気が出ている点。これについては創作性を認めてもよかったんじゃないかなあと思う部分があります。

>けど本当に「公衆電話ボックス内に通常存在する物から気泡を発生させようとすれば,もともと穴が開いている受話器から発生させるのが合理的かつ自然な発想」なのでしょうか。硬貨投入口や釣銭取り出し口にも穴は空いていますし、そもそも新たに穴を設けないことが前提というのもしっくりこないように感じます(しかし一方で、受話器から気泡を発生させるのはとてもアーティスティックであるようにも…)。ちなみに、このことについて原告の主張を見てみると、このように述べています。

「公衆電話ボックスに金魚を入れる」というアイデア以上に、「受話器から空気が出ている」ことに創作性が認められるかですね。
裁判長の言葉は「水没した電話ボックスを表現するのなら、電話ボックスに金魚だけ入れたいよね。エアレーションの部品は隠したいよね。だったらエアレーションを隠す場所は電話機しかないよね」かな。
そういう考えもあるでしょう。

山本氏は「金魚電話ボックスは受話器から泡が出ているから、私の創作性も真似している」という表現をしています。
「山本作品・金魚電話ボックスの両方とも受話器のみから泡が出ている」のであれば、泡の出し方まで似ていると思う人もあるでしょう。
でも金魚電話ボックスは「受話器からも硬貨投入口からも水槽底からも泡がでている」ので真似しているとは全く思えません。

金魚電話ボックス Yuji Sakuramoto
https://www.youtube.com/watch?v=AuQvL-rc2fk

「泡はメッセージ」とおっしゃる山本氏ですが、受話器以外から泡が出ている時もあります。

水が透明な時には電話ボックスの底には何もありません。
泡は受話器のみです。

2013/4/18 梁川美術館に現れた電話BOXが!SATOSHINYA.COM
https://saitoshinya.com/?p=1357

水が緑になって、金魚が上の方に集まってきています。

2013/5/2
伊達市の梁川美術館に現れた電話BOX②
https://www.youtube.com/watch?v=H_8doo-5fBE

11秒ぐらいから受話器の泡より左側に泡が出ているのが見えます。
展示中に受話器以外からメッセージ(泡)を出してもいいのでしょうか。
どこから来ているのでしょう。
48秒、58秒ぐらいのところで電話ボックスの底にエアレーションに似ているものが見えます。

youtubeに山本作品の画像が少ないのは、設置期間が短いからだと思いました。
金魚すくいをしないで山本氏も自分で長く展示するべきだと思います。
もっと多くの人に知ってもらえますし、山本作品のほうが好きだと言う人が増えるかもしれません。

>【お知らせ】只今開催中の「山本伸樹個展」の最終日、5日(日)に、話題の電話ボックスに金魚が泳ぐ作品「メッセージ」の“金魚すくい”を開催します。参加料は100円です。時間は、追ってお知らせします。たくさんの方の参加を、お待ちしております
https://twitter.com/museumyanagawa/status/330197539544510464

もう一つ気が付きました。
金魚電話ボックスにはドアがありますが、山本作品にはドアがないのです。
ドアが無ければ電話ボックスでは無く水槽です。
電話ボックスに金魚を入れたことにはならないのでは?

もしかすると「ドアが無い」ことに創作性があるのかもしれません。

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