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2018年11月12日

金魚電話ボックスは金魚のお部屋

日テレNEWS24 金魚電話ボックス訴訟 商店街側 争う姿勢   2018.11.08 11:56

>奈良県大和郡山市に設置されていた「金魚電話ボックス」の著作権を巡る裁判の第1回口頭弁論が8日、奈良地裁で開かれ、被告の商店街側は全面的に争う姿勢を示した。
>この裁判は、大和郡山市の商店街に今年4月まで設置されていた「金魚電話ボックス」について、福島県の芸術家、山本伸樹さんが自身の作品と酷似していて著作権を侵害されたとして、作品を管理していた商店街側に、330万円の損害賠償を求めている。
>奈良地裁で開かれた第1回口頭弁論で、商店街側は「電話ボックスに金魚を入れるというのは、一つのアイデアで、著作権法による保護の対象にならない」として、全面的に争う姿勢を示した。

********

このニュースに関して、mixiや5ちゃんねるでは「著作権ある派」も「著作権無い派」もいました。
「無い派」のほうが多かったと思いますが、多数決で決めるわけにもいかないですね。
頭の中がお花畑な私ですが、いろいろ知りたいと思います。

AmebaニュースのHPを見ると、電話機の色はグレーです。

https://news.ameba.jp/entry/20180404-927

********

>商店街では、山本さんと話し合った結果、17年8月に商店街と山本さんとのコラボ作品だとする貼り紙を出したが、山本さんは、自腹を切って自分の作品と同じ色の電話機に付け替えることも求めた。これに対し、商店街では18年3月28日、著作権侵害と認識していないとしながらも、トラブルの経緯や現状を考えて電話ボックスを撤去することを決めたと山本さんに回答した。

********

山本氏の作品の電話機は緑色です。
個人的な好き嫌いなのですが、私はグレーの電話機のほうが色彩的に周囲の風景にも合っていると思います。
街全体をひとつの作品として見てもいいのではないでしょうか。
ただ、緑色が好きな人もいるかもしれないので、電話機一つを付け替えればよかったのなら、どうしてそうしなかったのか知りたいです。

こちらの弁護士ドットコムNEWSでは、井奈波朋子氏は次のように言っています。

https://www.bengo4.com/internet/n_7697/

********

>大和郡山市の『金魚電話ボックス』は、山本氏の作品の具体的表現を有形的に再製したといえませんので、複製権侵害ともいえませんし、そこからもとの作品の具体的表現を感得するともいえませんので、翻案権侵害にもあたらないと考えられます。アイデアやコンセプトが似ていても、著作権侵害にはならないのです。

********

そうですか、著作権侵害にならないのですね。
福田ちはる氏は次のように言っています。

山本伸樹氏は裁判に勝てるのか【金魚電話ボックス著作権裁判】
https://ipmainly.com/kingyo-saiban/

********

>>また,金魚を泳がせた水槽という表現上必要となる金魚等の生育環境を維持する目的との関係においては,ろ過装置を備えることや,エアストーンを別途設置し,エアポンプにより酸素を送り込む構成が考えられるが,原告作品においては水中下の公衆電話の受話器部分を利用して気泡を出す仕組みを取られ(エア用チューブを内蔵),メッセージが送られている様が表現されている。

>問えるとしたら、受話器から空気が出ているという部分でしょう。
>ここを上手く攻めたらどうにかなるかな・・・。

********

その部分が重要なのですか?

今まで空気のブクブクを全く気にしていませんでした!
なるほど~、空気がメッセージを表現しているのですね。
両方ともフツーの公衆電話の外見だと思っていたのですが、そんなところに「山本作品の特徴がある部分」があったのですね。

FNNPRIMEの “金魚電話ボックス”は著作権侵害! “金魚の町”商店街を美術家が提訴 でも書かれてますね。

https://www.fnn.jp/posts/00364830HDK

********

>この作品と商店街の金魚電話ボックスを比べると、屋根や電話機の色は異なるものの受話器から空気が出る工夫など細かい部分にも類似点が…

********

上のニュースの写真では、受話器部分の写真しかないので、とてもわかりにくいです。
youtubeで動画を探しました。

金魚電話ボックスはたくさんあるのですが、山本氏の作品は少ないですね。

伊達市の梁川美術館に現れた電話BOX①
https://www.youtube.com/watch?v=_LGUc2QqW50

山本氏の作品のエアポンプは電話機の受話器だけです。
水槽の底からエアを出さないと、水の流れがおこりにくいので下層の水の酸素が不足しませんか?
金魚が上の方に集まっているように見えます。
水が緑色で手入れが悪いように見えるのですが、山本氏はそのほうが金魚が快適という考えのようです。

********

>本来金魚にとって快適なのは、数が多すぎず、環境の変化が少なく、ある程度水藻によって半透明で、光合成によって水中の酸素量と二酸化炭素量が適度に保たれていることが最も快適なのです。(山本氏のFacebookより)

********

さて、金魚電話ボックスはどうでしょう。

?????違いますやん!

金魚電話ボックスのエアポンプは、最低2個あるように見えます。
「水槽の底から」もエアがボコボコ出ています。
電話機のコイン投入口からも気泡が出てますね。
電話機のすぐ後ろか真下にエアの出口があるので、そのエアが電話機に伝わっているような気がします。
というか、電話機とは違うものを置いている時もありますね。

「電話機の受話器部分のみから気泡を発生させる構成」ではないと思います。

金魚が泳ぐ電話ボックス!?金魚の街、大和郡山へ行ってきた TABIAT

https://tabi-at.com/archives/870

金魚電話ボックスでは、電話の場所に可愛いレゴブロックが置かれていた時もあるようです。

金魚電話ボックス 奈良・大和郡山  SANKEI NEWS

https://www.youtube.com/watch?v=nDL42XbhPXg

あちこち見ているうちに、少しわかってきました。
商店街が緑色の電話機に変えることを拒んだのは、山本氏の芸術作品の形を維持することが難しかったからと書いている人がいました。

大和郡山市の金魚電話ボックスの撤去の知らせを知った個人的感想まとめ

https://togetter.com/li/1214864

ミームさんの発言で

********
>[c4834296] あと、山本氏は金魚をあまりよく知らない素人ですので、金魚にとって良くない水質(藻がはびこる)などの作りを維持して欲しいという要求でした。 そういった要求を作り直すときに呑まなくてはならず。 また、それ以前はただの水槽ですので、自由にイベントのときにお雛様を飾ったり電話を付け替えたりしていたのですが、それも山本氏の美術作品にされた場合は出来なくなります。 美術作品というのは常にその形を維持しなければなりません。 その維持を全て商店街でしなければならなくなります。

********

なるほど。
山本氏のオリジナル「緑色の電話機で、水は緑色でエアポンプは受話器のみで金魚は水面近くにいる電話ボックス水槽」を金魚の街に置いて欲しかったのですね。

********

>山本さんは「僕の作品と、はっきり言って同じなのに僕の作品じゃない形で独り歩きしてる。とにかく僕のオリジナルを認めてほしい」と訴える。
(  FNNPRIMEの “金魚電話ボックス”は著作権侵害! “金魚の町”商店街を美術家が提訴 より )

********

でも、緑色の水の金魚の水槽を金魚の街に置いたら、観光客の反応はどうでしょうか。
私が観光客なら、きれいでかわいいものが大好きなので、がっかりします。

緑の水が金魚にとって良いか良くないか検索してみました。
下記のHPが分かりやすかったように思います。

アクアリウム・熱帯魚が好きだから グリーンウォーター・アオコのメリット・デメリットと有効な使い方

http://meganuma161.com/aquariumue-basic-knowledge/effective-use-of-green-water/

えーっと、
グリーンウォーターには、緑藻(りょくそう)類、珪藻(けいそう)類、藍藻(らんそう)類などの種類があり、メダカや稚魚の餌になるものもあるし、魚に害を与えるものもあって、それは悪臭で判断できる。
植物性プランクトンも酸素を消費するため、水中の酸素が不足 してしまいがちになることもある……かな。

メリット部分ですが、金魚電話ボックスにメダカや金魚の稚魚を入れるわけではありません。
私は、普通の餌を金魚に与えて、きれいな水の中で泳いでいて欲しいです。

金魚の街の不思議水槽は、金魚電話ボックスだけではないようです。
自動販売機(←金魚を売っているわけではありません)や改札の中にもいるようです。
大和郡山市で「全国金魚のお部屋・おうちデザインコンテスト」というのが平成28年まであって、アイデアを募集して優秀作品を制作して展示していたようです。
もうコンテストは開催されないのでしょうか。

金魚の水槽って、きれいな状態で維持するのが大変ですよね。

奈良県に金魚の入った電話ボックスがある! 誕生秘話を聞いてみた

http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1605/14/news035.html

金魚電話ボックスの写真や動画投稿が多いのは、森さん達がずっと継続的にお世話していたからだと思います。

人の感覚は違うので、「著作権ある派」と「著作権無い派」が分かれる問題は、裁判所に判断してもらうというのも一つの方法かもしれません。
「著作権はない」という判決なら、金魚電話ボックスを再設置すればいいですね。
「著作権がある」という判決なら、また「全国金魚のお部屋・おうちデザインコンテスト」を開催して新しい金魚のお部屋のアイデアを募ったらいいでのではないかと思います。

裁判に注目しています。

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